直接金融とは

企業が資金調達する際、直接金融と間接金融と呼ばれるものがあります。
直接金融」とは、「現在使わなくていいお金がある人」から、「現在お金が必要な人」へ直接お金が流れる仕組みです。
具体的には企業が発行する株式や社債に投資することで、投資家から投資先へと資金が流れることになります。
直接金融では、私たちが自ら投資先を選別し、その投資結果に対して自らリスクを受け入れることが必要なため、ここで「自己責任」が問われることになります。つまり、自らの判断に基づく結果(投資成果)は、すべて自分に帰ってくるということなのです。

日本は戦後の混乱期の後、経済が成長し、間接金融の仕組みがうまく機能してきました。昔は銀行や郵便局に預けておくだけで財産が増える時代でした。
そのため、日本人はリスクを極端に嫌うようになり、超低金利という環境にあろうとも元本保証の預貯金に資金が集まる傾向が見られます。
しかし、2005年4月からはペイオフが全面解禁となり、「とりあえず銀行に預金」しておく場合でも、その預金先が経営破綻した場合には自己責任が問われるようになりました。

間接金融とは

私たちが銀行に預けているお金は、銀行を通じて主に企業に貸し付けられています。銀行は「現在使わなくていいお金がある人」(預金者)からお金を集めて、「現在お金が必要な人」(主に企業)に資金を融通します。このような仕組みを「間接金融」と呼びます。
預金者はお金を銀行に預け、貸出先は銀行が選別する為、リスクは銀行がとります。ということは預金者(=投資家)は、企業(=投資先)の選別・研究をする必要もなければ、リスクを負う必要もありません。

戦後の経済成長期においては、資金需要が極めて旺盛であったため、経済活動の基盤を作るべく政府は国民に貯蓄を奨励、そして、間接金融の仕組みが出来上がりました。
しかし、バブル経済が崩壊すると、間接金融の要である民間の資金需要が低迷しました。
銀行は不良債権処理に悩まされリスクを取れない体質へと変わってしまい、お金の流れが悪くなりました。そこで近年では「間接金融から直接金融へ、貯蓄から投資へ」をテーマに様々な施策が取られ初めました。

デットファイナンス

間接金融は、通常利払いを伴い、利払いを伴う負債による資金調達のことをデットファイナンスと呼びますが、デットファイナンスとは、有利子負債が増加することになる資金調達のことで、デットファイナンスには、銀行などからの借入金による間接金融と、投資家に社債やコマーシャルペーパー(CP)を発行して資本市場から直接資金調達をする直接金融があり、デットファイナンスは、返済期限のある他人資本であるため、キャッシュフローには注意が必要です。
また、非上場企業で、企業規模が大きくなく財務体質も普通ぐらいの企業では、金融機関と金銭消費貸借契約を締結し借入れする際に、会社代表者を連帯保証人とすることを求められるのが一般的です。
尚、資金調達には、直接金融と間接金融があるので、資金調達額と調達コストとの関係を考慮して、調達方法を決定することになります。

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